「あけおめ!」
近ごろでは、これで新年のあいさつになるとのこと。
いくら「言葉は変わっていくものだ」と考えるわたしでも、「何だそのあいさつは!?」と、ひとこと言いたくなってしまいます……
あけましておめでとうございます。
自身のこともそうですが、景気の悪化に落ち込んだ気分についても、かすかに「V字回復」があるのではないか? そんな望みを抱いております。
国民みんなが「どげんかせんといかん!」(ちと古いか?)と、国を守ろうと動き出さなければ、この国はボロボロ、スカスカな存在になってしまうのではあるまいか?
そのような危機感を国民全体が抱いているのではないか? と思える現在だからこそ「奇跡の回復」がありえるのでは、と思うのかも知れません。
「Yes We Can ! 」と地道に、わたしも頑張らねば! という新年です。
上写真は、大晦日の片瀬海岸(江の島)で、久しぶりに会えた富士山。
2008.12.22
【広島県】
尾道(Map)
年末になりますが、関西在住時(昨年)のやり残しを果たしてきたので、まずはそれを分割してご報告します。
ドライブ、見所、温泉、海の幸と、フラッと行っても満足が得られる地域として、しまなみ海道周辺というのは、メジャー観光地となる条件を満たしているものの(もうメジャーかも知れませんが)、大規模開発をしにくい立地条件(国立公園で平坦な土地が少ない)にも助けられ、わたしなども楽しめる地域であり続けていられるのだと思われます。
──坂の多い尾道を、観光バスで来るおばちゃんたちは歩けませんから、興味を持っている方は歩けるうちに!
上写真は、尾道と向島(むこうじま)を結ぶ福本渡船のフェリー桟橋で、映画『さびしんぼう』等、大林宣彦監督の作品にたびたび登場した桟橋です。
写真のふたりの関係は知るよしもなく状況も分からないのですが、高校生のころを振り返ってみると「何を話せばいいのか」と、考えれば考えるほど頭が真っ白になっているのでは、などと思いながらシャッターを切りました。
船待ちの時から対岸に着くまでの間(乗船時間は3分)は、並んで時間を共有することができるわけですから、何とロマンチックな瞬間なのでしょう。
だから、ドラマなどでは格好の舞台設定となるわけです。
高校時代わたしも自転車通学で、そんなときめきがあったかなどは忘れましたが、追い抜きざまに「さようなら」と声を掛けるくらいが関の山なわけで「あっ、○○クーン!」なんて声を掛けられたりはしませんでしたものね……(覚えていないとすると、それも寂しいよね)
右写真は、千光寺山ロープウェイ山麓駅下の艮(うしとら)神社。
下写真は、ロープウェイ山頂駅から下った千光寺。
また映画の話しになってしまいますが、尾道といえば小津安二郎監督『東京物語』の笠智衆さん、東山千栄子さんら祖父母が暮らす「故郷」のイメージが強く残っており、そんな印象はずっとこの先も変わらないように思われます(これは東京出身者のあこがれに違いありません)。
「何いってんだ、年代的には大林映画じゃないか?」と言われるでしょうが、「いってまいります」と玄関を出て、右写真のような細い路地を歩く香川京子さんの姿が、年を重ねるにつれ忘れられないものになっています。
小津さんと大林さんでは映画を観終えた印象が違いますから、これまでもそれぞれに楽しませてもらってきたのですが、わたしの中では新しいはずの大林さんの映画の方が、風化スピードが速いような気がしています。
どこかで目にした「公開当時、若者たちから圧倒的な支持を得た大林宣彦監督の尾道三部作…」(若者だけには受けた)の意味が、理解できる気がした今回です。
でも、そんな映画たちと出会った当時の「思い」(ピュアな情感)をふり返り懐かしむわれわれを、この土地はとてもゆったりとした包容力で受け止めてくれるような気がします。
それが、おじいちゃん、おばあちゃんの暮らす故郷の印象は決して色あせない、という思いにつながっているのではないか、という気がしました。
この町には「絵になる風景」がゴロゴロしています(ブログ未掲載ですが、前回撮った場所はカットしたので少なくなりました)。
文化や人々の生活臭も大きな要素であると思いますが、土地の起伏もわたしの関心には重要であるように感じられました。
坂や階段を上がるたびに息をあげるような年齢になってこそ、体で感じることができる(単なる言い訳?)その土地での生活を実感することで、町の見え方も変わってくるように思えてきます(その割りにはいい絵が撮れませんでしたが)。
そして、海の幸!
瀬戸内の鯛のおいしさは何度もふれてきましたが、東京圏に戻って、鯛(刺身も焼き物も)が店頭に並ぶ頻度の少なさと、その値段の高さに改めて驚きました。
関西圏でも確かに上の部類に入ると思われますが、そこまで高級魚ではありません(逆にマグロは築地に流れるので関西では高い)。
そして今回尾道で舌鼓を打ったのは、ヒラメです。
とろ〜んと甘くてやわらかい、新鮮でなければ味わえない美味な「三切れ」(刺身の盛り合わせを頼んだので三切れだけ)でした。
聞いてみると「前の海で釣ったんです」とのことで、地元の方に「それを売り物にするのか!」と怒られたこともあります、なんですって。
それこそが、最高のご馳走なんですよね!(毎回食べられるモノではない)
──「絲魚」(表示できるか? 糸+糸と魚で「いとい」)というお店で、飲んで、刺身と寿司を食べても目が飛び出る金額ではないのでオススメできるかと思います。是非!
ご当地ラーメンとよく耳にする近ごろですが「尾道ラーメン」はご存知でしょうか?
豚骨醤油のスープ(いまでは流行ですが)に、縮れてない細めの平麺(この麺は珍しいと思う)が基本のようです。
お目当ての店が定休日だったので、仕方なく駅前の店に入りました(オススメではありません)。
ですが、店内の張り紙に「マイ箸 洗います」とあります。
割り箸を使わずに、マイ箸を持参すれば食事後に洗ってくれるというのは、とてもいいサービスです。
割り箸って、お箸の中では最も食材をつかみやすく便利なものだと思うのですが、東京の会社員たちが昼食にマイ箸持参で出かけるようになったら、かなりエコに貢献するのではないか? と思われます。
──お目当ての「宇宙一おいしいラーメン フレンド」が定休日でガッカリ(早めに行ったのに)。とてもあっさりしていて、好きでした。コッテリ味で印象に残っているのは鞆(とも)の町はずれにあるラーメン屋さんです。
二度目ですし、尾道の歩き方を計画していたにもかかわらず、結局は坂道や石段をゼイゼイしながら歩いてしまうので、終わってみればもうドロドロです。それだけ楽しんだということなのですが……
この町のいいところとして、公衆トイレが数多く設置されていて、どこもキレイであることも挙げられると思います。
大林監督等の宣伝が功を奏して、尾道という観光地としてのネームバリューは大きなものになりましたが、経済的な実力からするとやはり地方の小都市という評価なってしまいます。
ですが「文化遺産」を守っていきたいという、町が描く将来像への住民の方々の貢献度が高いことは、ここを歩いてみれば理解できるのではないでしょうか。
だからこそ、人気が高く、とてもいい印象を与えてくれるのだと思われます。
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