2009/01/07

ピッチピチの、プリップリ!──しまなみ海道

2008.12.23-25
【広島県】【愛媛県】

 しまなみ海道(Map)

 しまなみ海道(正式名称:西瀬戸自動車道)は、尾道から向島、因島、生口島(←広島県 愛媛県→)、大三島、伯方島、大島等を橋でつなぎ、今治までを結ぶ自動車専用道路になります。
 橋りょう部分は1999年に完成したものの、生口島と大島の島内部分の整備は先送りされ、2006年にようやく全線開通となりました。
 全線開通してからは初めての訪問なので、通しでかっ飛ばしたい気持ちもあったのですが、それではあまりにもったいないので、各島に降りてのんびりと往復してきました。


 向島(むかいじま)(Map)


 尾道市街に面した海をフェリー(乗船時間3分)で渡る島で、本土側から見える大きな造船所ではクレーンをライトアップしています。
 その尾道水道には、通行料150円の「尾道大橋」(1968年完成)と、通行料300円のしまなみ海道「新尾道大橋」(1999年完成)の、巨大な橋が2つ並んで架けられています。
 計画性が無いと言いますか、高速道路の計画はあったにしても30年待てとは言えない理由があったのでしょう。
 造船所への大型車両の通行など、生活道路として尾道大橋の必要性や、尾道市街の混雑緩和に貢献していることは理解できますが、それでもみなさんはフェリー(普通車90円)を利用しています。わたしもフェリーを選択しちゃうと思います。
 後述しますが「歩行者が渡れるしまなみ海道」なのに、新尾道大橋には歩行者、バイク用レーンがありません。
 そうなると古い尾道大橋を渡ることになると思いきや、歩道幅が狭く危険なので、自治体では安全の為に渡船の利用を勧めているんだそうです。
 中途半端だし、どういう計画なんでしょうね?

 島の反対側(南斜面)にはミカン畑があり、本来この時期には斜面一杯にオレンジ色が広がっているのですが、今年は収穫時期が早かったのか、期待していた光景には出会えずにちょっと物足りない写真になりました。


 因島(いんのしま)(Map)


 ここは白滝山の山頂で、五百羅漢の石仏(700体あるそう)が崖の上に安置されています。
 上写真で伝わっているでしょうか、何もそんな崖っぷちに建てなくてもと思ってしまう場所に鐘楼があります。
 ここは岩が尖ったような山頂で、風の強かったこの日は時より突き上げるような突風が吹いくるので、展望台ではへっぴり腰でシャッターを押していました。

 海道周辺の島々はむかし村上水軍の拠点だったこともあり、この場所も水軍の将が観音堂を建てたことから始まったそうです。
 見つけられなかったのですが、五百羅漢以外にも十字架などが刻まれたものもあるそうで、江戸時代には神道・仏教・キリスト教・儒教などを融合した新興宗教の本山だったそうです。
 信仰の対象となりそうな場であることも確かですが、水軍の見張り場を作ろうした動機の方が理解しやすいと思える、眺望の素晴らしさです(怖かったんですがね……)。


 地図を見てもらえば分かると思いますが、因島周辺には橋の架かっていない小さな島が点在しています(生名島、弓削島、岩城島等々)。
 そんな島々をフェリーや高速船で結ぶ拠点となる土生(はぶ、と読みます)港があります。
 近ごろ「ハブ空港」(航空路線網の拠点となる空港)と耳にすると、規模は小さいですが同じような存在で、日本語の音も同じであると思い浮かべる港で、わたしはこちらのサイズの方が親しみが持てて好きでいます。
 目の前に島が見えますしね(いい写真撮れませんでした)。


 生口島(いくちじま)(Map)

 近ごろの流行なのか、アート作品をちりばめることで関心をひこうとする地域をよく見かけますが、ここは「島ごと美術館」という取り組みで、右写真は「千里眼」という作品なんだそうです。
 ここはサンセットビーチという、文字通り夕日がキレイな砂浜なんですから、わざわざこんなものを作らなくてもいいと思うのですがねぇ。

 下写真は生口島〜大三島をつなぐ多々羅(たたら)大橋です。
 しまなみ海道の橋には、歩行者・自転車・二輪車が通行できるレーンが設置されています(新尾道大橋以外)。
 ロードレースの格好をしてツーリングしている親子連れを見かけましたが、陽気のいい季節には自転車で海道を走るサイクリストが多く、乗り捨て可能なレンタサイクルの拠点が多く設置されていているそうで、今治には宿泊施設があったりします。
 以前利用したその「サンライズ糸山」という宿泊施設から持ち帰ったフェイスタオルは、普通の旅館で出されるものより繊維の密度が高く柔らかいので、いまでも使っています。
 さすが「タオルの町 今治」と宣伝しておきます。


 写真では分かりませんが、橋の上をウオーキングしている人が結構いることに驚かされました(歩行者無料だそうです)。
 天気のいい日などは気持ちいいのでしょうが、最も大きな来島大橋では海面から橋桁まで65mあるそうで、歩道は外側にあるのでフェンス外側の足下には海面が見えるわけですし、突風も吹いてくるでしょうに。
 高所で恐怖感を覚えるようになってきたわたしには、無理そうです……
 全部の橋が高いわけではないにしても、橋を渡るたびにそれぞれの橋桁まで登って行く必要がありますから(専用の道が設置されている)、その上り下りだけでもキツそうと思ってしまいます。


 大三島(おおみしま)(Map)

 右写真2枚は大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)で、伝えによると594年に摂津国三島江(現在の大阪府高槻市:昨年まで住んでいましたが知りませんでした。淀川のほとりにあったようです)からこの地に移されたとのことです。
 山の神、海の神とも言われているようですが、主に戦いの神として信奉されたようで、平氏、源氏など多くの武将が武具を奉納したそうで、源義経の鎧も展示されています(国宝、重要文化財とされる甲冑の約4割が集まっているそう)。
 そんな歴史があってか戦国時代には、戦いとはいえ神社の宮司は戦場には立てないので、一族から陣代(主君の代理)を派遣していたそうで、そんな中、兄の戦死という状況により16歳の若さで鶴姫(宮司の娘)が水軍の将として出陣し、見事勝利したそうです。
 「瀬戸内のジャンヌ・ダルク」と称されながらも(本家は1400年代、鶴姫は1500年代)繰り返される戦いの中で恋人を失い、18歳で母親の形見とされる鈴を胸に入水自殺をしたと伝えられる「鶴姫伝説」があります。
 以前神社では、その「鶴姫土鈴」を売っていたのですが、今回見あたりませんでした。
 伝説的な話しではありますが、いまでも鶴姫祭りが行われているそうです。
 ──今どき通じる人がどれだけいるのか? コミックの「つる姫じゃ〜っ!」とは無関係です(これ、書きたかったんです)。

 さぁ、今回のお楽しみのひとつである、大三島の旅館「富士見園」の夕食です。
 ふつうの旅館ですが前回の料理が忘れられずに再訪しました。
 やはりここまで来なければ食べられないモノがあるんです。
 煮魚も揚げ魚(骨までバリバリ)も、両手でむしゃぶりついてしまうので「魚がお好きなんですねぇ」と、お褒めの言葉をいただきました(カニを食べる姿に似ているかも)。
 前日が祝日で市場が休みだったらしく「今日は鯛ないんです」の断りも何のその、その日手に入る魚で献立を考えてもどれもウマイとは、何と幸せな海なのだろうか! 
 オコゼ、マコガレイ、アコウダイ、みんなピッチピチの、プリップリ!
 魚のサイズが小ぶりなのがいいんですね。
 一匹丸ごと平らげると満足感を得られるのですが「次は何?」と、猫がエサをねだるような目をしているような気がしますもの。
 魚好きは瀬戸内に限りますねぇ(メバルも食べたかったなぁー)。

 下写真は、大三島より来島大橋を望む。




 伯方島(はかたじま)(Map)

 大三島と大島の間に伯方島があるのですが、残念ながらこの島だけはタイミングが合いませんでした。
 「伯方の塩」という商品をご存知でしょうか?
 1971年に自然塩を廃止する法律ができたことに危機感を覚えた人たちが、存続を嘆願して権利を勝ち得たという経緯があるそうです 
 赤穂の塩(兵庫県:赤穂浪士の地)も美味しかった印象があるので調べてみると、伯方と同じような運動をしていたそうです。
 そんな特産品を使用した「伯方の塩ラーメン」(あっさりしていてスーッと食べちゃう)、「伯方の塩ソフトクリーム」(キャラではないわたしでも食べられるスッキリ味)を食べたいと思っていたのですが、夕飯前の時間だったり、売店が閉まっていたりで断念しました……
 また来なくっちゃ。


 大島(Map)


 上写真はしまなみ海道において、最大の建造物である来島大橋で、橋脚の高さは184mあるそうです(ちなみに多々羅大橋は224m)。
 ここは亀老山(きろうさん)展望台で(右写真も)、とてもモダンな印象を受ける建造物で好きなのですが、景観に配慮するということは、外からは目立たぬようにしながらも、中には迷路のような空間を配置する「砲台のイメージ?」なんてことを感じたのですが、元はそうだったのかも知れません。
 本州と四国の間に島が連なるしまなみ海道の中においては、この来島海峡が最も広く海底地形の影響もあると思われますが、大型の船舶はここを通るしかないそうです。
 昔から「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸(関門海峡)」と言われるほど潮の流れが速い海峡で、全国でも有数の船の難所だそうです。

 モダンなものですから展望台の手すりがワイヤーだったりするので、カップルの名前入りの鍵がたくさんぶら下がっていたりします。
 まあ、鍵も金属なので、さびて朽ち果てることは理解しているでしょうから「それくらいまで二人の仲も持てばいいか」との受け止め方は、ちとひがみすぎでしょうか?
 でも、さびのせいでワイヤーが切れてしまったら困るでしょうから、定期的に片付けるのだと思われますが……

 この島にも魚料理が美味しそうな旅館があるのですが「お一人様お断り」なので、泊めてくれません。
 誰か一緒に行ってくれませんか?

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