2007/05/06

神島(こうのしま)、カブトガニ博物館
 ──埋め立てで弱るのは人間?

2007.05.02

神島(こうのしま)(Map)—岡山県


 以前は島だったのですが、国の干拓事業で陸続きになったのが1989年だそうですから、この陸地に残る防波堤も意図的に残してあるということなのでしょう。
 下の写真など、防波堤の真ん中を突っ切る道路を作っておいて両側を残すという、やりすぎな演出をそのままに「保存」してあります。これはきっと、埋め立てに反対した人たちが昔の面影を残そうとしたのではないか、と思われます。
 漁業権の補償を受けて生活には困らないにしても、目の前にあった海と共に暮らしていた人にとって、その喪失感は計り知れないものだと思われます。
 かなり広大な土地なので全部見られませんでしたが、元の陸地側には工場などが立ち、島側は農地の整備がされているので、有効に活用されているように見えました。
 でも、わたしが海を奪われた海の民だとしたら、残っていられないと思います。
 それも、歴史を知らないからそんなことが言えるのであって、代々の暮らしや年を取った方々の心情を察すると、言葉が出てきません。近い将来、若い世代が暮らしやすい場所になってもらわなければ、現在の喪失感を埋め合わせることはできないと思われます。




カブトガニ博物館(Map)—岡山県


 神島と笠岡諸島への航路を挟んだ対岸にある、銀色のドームがそれです。
 ということはカブトガニ繁殖地が近くにあるわけで(実際にある)、そんな場所で大規模な埋め立てが行われていたことになります。
 ですが、この博物館を見学してカブトガニへの認識が少し変わりました。
 「生きた化石」「天然記念物」「希少生物」には違いないのですが、それは日本や瀬戸内海においてのことであって、種類の違いはあれど東南アジアでは食用に売られている、との展示がありました。
 その中の子ども向けの説明ビデオでは「この時代になると仲間の三葉虫クンたちと海を泳いでました」とあり、そちら方にうなずいている自分は、その時分の認識から何も進歩していないことに気がつかされました。
 カブトガニって、結構生命力ありそう……
 NHKの自然ドキュメンタリーでも見て勉強しなきゃ! です。

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